INTERVIEW

人柄伝わる想い、信念、価値観を社長100人にインタビュー

社長のキモチ

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2019年9月初旬、関東を大型台風が直撃。
千葉県君津市内にも、大きな爪痕を残しました。
被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。
 
2019年9月29日、千葉県君津市にある
特別養護老人ホーム『夢の郷』にて、
台風15号災害被災者支援チャリティーとして
『つばさ祭』が開催されました。
このイベントの売上金は被災者支援金として
君津市に寄付されました。
 


台風15号災害被災者支援チャリティー
『つばさ祭』2019年9月29日

 

 「この経験を、私たちもスタッフも、
今後に活かしていきたい」

 

 「地域に人に、
お互いに慣れ、理解し合うことが大事」

 

社長のキモチ #1

 

 

つばさグループ 理事長 天笠 寛さん

 
 

 
 

過去最大の危機を迎えたあの時
信じてくれていると、信じていた

 
 
ピンチの時こそ、いろんなものが見えてくる。
その危機が大きければ大きいほど、なおさらだ。
 
 
もう随分前の話になるが、うちのスタッフがある事件を起こした。
関係者もいるので詳細は伏せるが、
うちの名までは報道されなかったものの
ニュースとして取り上げられるほどの事件だった。
 
裁判が行われ、私は事業者責任を問われた。
雇い主なのだから、当然だ。
 
裁判所から、多額の賠償請求が届いた。
普通なら事業の存続ができないほどの額。
でも支払い直前に神がかり的としか思えない巡り合わせで
賠償金を準備することができた。
 
 
この件は市議でも議題に上がったらしい。
しかし、事業所としてやるべき
教育・指導は行なっていたということで、
それ以上のお咎めはなかった。
 
 
そして、こんな出来事があったにも関わらず、
職場はいつも通りの状態にすぐ戻れた。
というか、まるで何もなかったかのように通常運転に戻っていた。
利用者さんの要望に決してNOと言わず、
「はい、ありがとうございます。やらせていただきます!」
と明るく答え、笑顔あふれる、いつもどおりの風景に。
 
 
 
 
事件の後、まず私は、スタッフに謝罪した。
 
 
「私の力不足、指導不足でこんなことになってしまい
本当に申し訳ない。迷惑かけてごめんね」
 
それしか言えなかった。
 
 
 
ルールを破り指導を無視して違反行為をしたのは、
当該スタッフの個人的なあり方の問題もあったかもしれない。
実際
「あの人はああいう性格だったから、あんなことやったんだ」
という意見も聞こえてきた。
だからと言って、私がそれに同調していたら、
スタッフたちはどう思っただろうか?
 
 
 
私は一言も、事件を起こしたスタッフを
責める言動はしなかった。
責められるわけがない。責任者は私なのだから。
 
 
事件が起きる前も、起きた後も、私は常々こう言っている。
 
 
 
「あなたたちがやっていることは、
全部私が責任を取る。
それが当たり前のことだから」
 
 
 
本気でそう思っているし、
思っていることをちゃんと言葉で伝えている。
そして行動でも示しているつもりだ。
 
 
だから、危機の時も
「そんな私を、見ていてくれているはず」
と私も彼らを信じていたし、
彼らはそれに応え、
私を信じてちゃんとついてきくれた。
 
 
このことを、私は心から感謝しているよ。
ありがとう。
 
 
 
 
 
=========
 
 

やっている、姿を感謝で見守って、
信頼せねば、人は実らず

 
 
 
とにかく、スタッフのみんなには
「足を向けて寝られないよ。手を合わせて寝ているよ」
と思っているし、言っている。
普段からこういうことを伝えているから、
信頼関係は多分、
すごくあるんじゃないかなと思っているけど、
どうかな?
 
 
もちろん、不平不満を言って去っていく人もいるよ。
そりゃそうだろうね。
ここが嫌だとか、ここが苦痛だとか、
何か腹に持っているから辞めたくなるわけだから。
 
 
そんな人を見送る時、個人的に思っていることや、
「いつもこうだったよね」ってこともちゃんと言うけど、
最終的に伝えることは、いつも同じ。
 
 
 
「本当に世話になったな。ありがとな。
なんかあったらすぐに言ってくれよ。
私はいつも感謝していたからさ」
 
 
 
そうやって送り出した人が、
また戻ってくることが多いんだよね、うちって。
「自分は今まで、こんなに苦痛がないところで
働いていたんだなと実感しました」
と言って、戻りたいと相談にくる。
うちの特性とか良さっていうのは、
ここにいる間は『それが当たり前』すぎてわからない。
ところが一旦外に出た瞬間に、
それを実感したって言ってくれる。
 
 
たとえそれが戻りたいって話じゃなくても、
相談には乗っているよ。
「私は変なわだかまりはないから、
いつでも待ってるよ」
って。
だから電話でも、LINEでも、直接連絡が来る。
 
 
 
このやり方が、いいのか悪いかは分からない。
でもね、待ってるよ。
いつでも言ってよ、いつでも聴くよって。
 
 
 
これはもちろん、辞めていった人だけじゃなく、
いま働いてくれている、人たちに対しても同じだ。
何かあったら、直接私に話しにくるスタッフは多い。
 
これを「問題だ」という人もいる。
「立場を考えてください。理事長なんですから」
って。
私は偉くもないし、別に私に直接言ったって
いいんじゃないのかなと思うんだけど。
 
「直接話を受けられると、こっちが困ります」
ちゃんと体制があるのに、
それを飛び越えて
私に直接話すのはどうかということなんだろうね。
 
 
 
確かにそれも一理あると思う。
でもそれは、ちゃんと向き合ってないからじゃないの?
逃げ場がないから、
私のところに飛び越えて来るんじゃないの?
とも思うな。
 
 
それに、そういうあなた自身も、
「立場を考えてください」って、
私に直接ハッキリと言っているわけで。
この、あなたと私のような関係を、
部下とも築いていけばいいんだよ。
 
 
 
 
信頼関係を築いて、
スタッフが気持ちよく動いてくれるためには
上の立場のものがやらなきゃいけないことがある。
 
 
単にやれって言っても、人は動かない。
まずやってもらって、
その上で難しいと感じているところはどこなのか聴いて、
「私も一緒にやるから大丈夫」
って。
 
 
そう言って、やってみせる。
 
 
 
また時には、何も言わずにやってみせるのもいい。
 
 
私も常にやっているよね。
床にゴミが目立ったら掃除機をかけたり、
草が伸びていたら草刈りしたり、
バーベキューで焼きそばを焼いたり。
 
スタッフのみんなは
「そんなことやらなくていいですから」
って言うんだけど
汚れていたら掃除機をかけるのは当たり前のことでしょ?
それに、私うまいんだよね。
草を刈るのも、焼きそばを焼くのも。
 
 
「上は言うだけで、何もしない」
そんな姿は見せたくないんだ。
だから、あなたもやって見せてごらん。
 
 
 
 
そして成長が見えたら、次は任せる。
任せると決めたら、全部任せる。
じゃないと、さらなる成長はできないから。
 
見守る立場としては
「失敗しても仕方なし」という気持ちで
任せる勇気がないとね。
失敗を恐れると、なかなか人に任せられないから。
 
 
でもそれを『失敗』とするのか
『成長してくれる過程』だと捉えるのかで
見方は変わるから。
 
 
 
だからまず、
やり方を教え、やって見せるんだよ。
 
 
どうしてこうするの。
どうしてこうなるのか。
 
 
どうやったら、
こんなうまい焼きそばができるのか、とかね。
 
 
私が仕事を始めた頃の話を、知っているかな?
たった一人で、
小さな喫茶店からスタートしたんだよ。
それが今こんなに
たくさんのスタッフと一緒に仕事ができているのは
 
 
話を聴き、教え、ほめ、任せているから。
 
 
あと、
何をおいても一番すべきことは
感謝だよ。
 
 
いつもありがとう。
 

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