INTERVIEW

採用・シゴトの現場で活躍する人たちの声を届ける

インタビュー

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<2019年9月3日>

 
人材不足に悩む業界は少なくないが、
中でも筆頭に挙げられるのは介護業界だろう。
千葉・君津で介護事業を営む『つばさグループ』は
その課題をリアル(直接対面)&SNSの
アプローチで解決に導いている。
外国人人材との出会いから採用までのストーリーを
『つばさグループ』理事長の天笠寛さんにお話いただきました。
 

 <インタビュアー:中尾ミカ>

 



千葉・君津市初の日本語学校がスタート
スクールで留学生を、職場で技能実習生を受け入れ

 
 
――御社の事業についてお聴かせください。
 
つばさグループは福祉関係全般を扱っています。
一番のメインは老人介護で
訪問介護、福祉タクシー、デイサービス、グループホーム、
そしてここ(取材場所)特別養護老人ホームなど、
介護に関してはほとんどの事業をやっています。
その他には学童、保育園、
市からの委託という形で子育て支援センターの管理運営など、
子どもに関することにも携わっています。
夏休みには学童に100名近い子どもが毎日来ていましたよ。
 
 
――100名! 学校みたいですね。
こういった施設で高齢者と子どもが
一緒にいる光景を見たのは初めてなので、驚きました。
 
普通は特別養護老人ホームで子どもが
ウロウロしてるということは、ないですからね。
地域に住んでいる高齢者から子どもまで幅広い人たちが、
コミュニケーションうまくとりながら楽しく生活が
出来ればいいなという想いがあって、こういう形にしています。
この施設の中に柔道場があったでしょ? 
あそこで高齢者がリハビリのために手足を動かしていると、
子どもが一緒になってやるんですよ。それがとてもいいなと。
子ども達が調子に乗ってハシャギすぎないように
気をつけないといけないですけどね(笑)
 


施設内にある156畳もある広い柔道場。
昼間は高齢者が、夕方からは地域の子どもたちが練習に訪れる。
 
 
 
――いいですね! こういった施設が珍しいというのは、
環境的につくることが難しいということなんでしょうか?
 
そうですね。あまり聞いたことはないですね。
だから他の地域から見学にくる方もいらっしゃいますよ。
 
 
――こうした施設の他に、
系列会社のつばさ不動産の事業として日本語学校
つばさインターナショナルアカデミーをつくられましたね。
 

 
 
はい。2019年4月に開講になりました。
あとスクール事業以外にも
千葉福祉経営協同組合で
外国人技能実習生の受け入れのための
管理業務もやらせていただいています。
スクールでは留学生を、職場では技能実習生を受け入れている、
という状況です。
 
今スクールに在籍しているのは7名ですが、
2019年10月からは本格的に留学生が入学します。
多分、全部で30名くらいになるかと。
 
 
――アカデミーで学ばれる方全員が
つばさグループに入るわけではないんですよね?
 
そう、一般のアルバイトをする方もいるでしょうね。
東京だとファミレスとかコンビニで外国人の店員が
たくさんいらっしゃいますよね。彼らもたぶん留学生です。
 
この君津という場所には、日本語学校はここしかないんですよ。
だからあまり外国人を見かけないけれど、
これからはどんどんアルバイトも増えていくんじゃないかな。
それは地域にとっても助かると思います。
 
 
――君津は、程よく東京から距離があり、
地元の人との関わりも体験できる土地柄ですよね。
アカデミーで学んだ後は日本のどの地方に行っても
活躍できる人材がはぐくまれそうな気がします。
 
生活費も都心より安くて生活しやすい。
あと勉強するにも東京だとちょっと遊びたい誘惑が多すぎるから
ここはちょうどいいんじゃないかな。
 
 
 
 

外国人であっても
こちらが家族のように想っていたら
一生懸命会社のことを守ってくれる

 
 
――スクール事業の立ち上げは
介護の現場の人材を確保という意味合いが?
 
介護の現場は人材不足ですからね。
一般的に社会現象として人口が減っているという部分も
当然あるでしょうけれど、とにかく介護の現場には人が集まらない。
仕事が大変だとメディアで言われているから
そのイメージがかなり強く浸透しているのかなと思います。
介護保険が始まった当初2000年の時には、
若い子達がいっぱいヘルパーの資格を取りに来てね。
「これはすごいな〜、高齢者が喜ぶだろうな」と思っていたんですが
今は若い子はほとんどいませんね。
 
 
――介護業界自体、採用に苦労しているんですね。
 
そうです。例えば、ヘルパーを5人募集しても、
1人しか応募がなかったりすると、もう選考の余地がなくなる。
働きだしてからも、注意するとすぐに辞めてしまいがちに。
そこを気にしてあまりストレートに物が言えなくなる。
そうすると、自然とサービスの質が落ちてしまいます。
だから今は外国の方の力を借りている、というのが現状です。
 
うちの施設でも2019年4月から
ベトナム人女性の技能実習生3名が働いてくれています。
この子たちはみんな、私のことを「お父さん」と呼んでいます。
そして何かあるとすぐに相談をしにきます。
 
みんな非常に笑顔があって、素晴らしい。
そして驚いたのは、ちゃんと指摘もしてくれるということ。
「これはあまり良くないんじゃないですか」と
私に教えてくれるんですよ。すごいでしょ?
 
 
――すごいですね! 例えばどういう指摘を?
 
「ここの整理がなっていない」とか
「ここをこうしないと変ですよね」とか。
普通はこちら側が気づくべきところを、
先に見つけてちゃんと言ってくれる。
 
あと、我慢すべきところは、我慢できる。
2キロ先のところから通うことになったら、日本人なら車で来ますよね。
でも彼らは自転車です。雨が降っていても自転車。
雨だから面倒とか、そんな気持ちはなくて
厳しい中でも「ありがたい」という想いでやっている。
ありがたいっていう感覚になるわけですよこ
いやいや仕事をするのか、
「ありがとうございます」と感謝しながら仕事をするか、
この差ってものすごい差ですよ。
 
ああ、この子達が来てくれて本当に良かったなぁと。
 
私が思っていたイメージ、、、
 
こちらが家族のように想っていたら
一生懸命会社のことを守ってくれるし、
一生懸命どうしたらいいか考えてくれる。
 
そんなふうに想って接した結果が、
素直に出てきているようで、とても嬉しい。
 

 

Q.天笠さんはどんな人ですか?
「理事長、お父さんは、おもしろくて、優しいです。
あと、ラーメンが大好きです(笑)
 
 
 
 
その代わり大変なこともありますよ。
私が例えばベトナムに行くって言うと
「お父さん、これ持って行ってくれないかな」
「あれ買ってきてくれないかな」って頼まれごとがたくさん(笑)
 
 
――おつかいじゃないですか(笑)
本当のお父さんみたいですね。
 
そうなんですよ。でもそこが大事かなって。
「荷物が多くなり過ぎるから、あまり大きくないのにして」
とか交渉しながらね。
 
 
――で、ちゃんと買ってきてあげるですか?
 
ちゃんと持って帰ってきますよ。
 
 
――優しすぎですね(笑)
 
大事なんだよね。こういうことが大事だと思うんですよ。
最近、彼女たちがこう言うんですよ
「もうベトナムには帰りたくない。
ずっとお父さんのところで仕事がしたいから、お願いします」って。
ビザの関係もあるからいろいろ考えなくちゃいけないけど、
一生懸命勉強して、まずは介護福祉士の資格を取るという
方法もあるよとかアドバイスしたりして。
非常にいいなって、つくづく感じますね。
 
 
 
 
 

自分の子どものような気持ちで面倒をみたい
会社とはいえ、ファミリーだから

 
 
――今や介護の世界だけでなく、
外国人の方の力を借りなければという仕事は
どんどん増えているように思います。
外国人労働者を受け入れたくても、
どうやっていい人材に出会えばいいのか。
これまた難しいという意見もあるようですね。
そんな現状の中で、天笠さんはどのようにして
海外でいい人材に出会っているのか教えていただけますか。
 
いろんな方法があるとは思いますが、、、
 
まず技能実習生の場合は、当社から条件などを提示します。
例えば給料がいくらで、そこから住居費や光熱費がこれくらいかかるので、
手取りの目安はこの額になる、という数字を書面にして送るわけです。
そうするとその書面を見て応募してきた方と現地で面接を行います。
 
人数は場所やその時の状況にもよりますが、
7〜9名くらい集まり、その中から面接で3名選ぶ。
面接を通過した人が次に何をするかというと
日本語検定(N4)に合格するまで、現地で勉強をするんです。
それに受からないと日本には来られないので、
そのために一生懸命勉強を始めるわけですね。
 
 
――N4とは、どれくらいのレベルでしょうか?
 
 
『日常会話がなんとなくできる』レベルですね。
まったく日本語がわかりませんという方が合格するには、
早くて半年ほどかかります。
ベトナムの場合は、
現地の日本語学校の寮に入って勉強しています。
 
 
――特に日本語は難しいと言われていますよね。
知らない外国で働くために、
難しい言語をゼロから学び始めるという
彼らのモチベーションは、なんなのでしょうか?
 
例えば将来、技能実習生として働くなら、期間は基本3年です。
「3年間、日本で実習しながら学び働いて、いくら貯金をする 」とか、
「将来、親に家を建ててあげたいんだ」とか
いろんな夢を持って半年間必死になって勉強するわけです。
 
 
――本当に、頭が下がりますね。
でもその学校で勉強をしている方々が
全員つばさグループに来る、というわけではないんですよね?
 
そう、いろんなところから声がかかりますからね。
 
 
――すでに争奪戦なわけですね。
そんな現地で出会った彼らと、
SNSを通じて交流していらっしゃいますよね。
現地で出会った時に
友だち申請しあったりしているんですか?
 
いや、現地ではやってないんですよ。
でも会った時に名刺を渡すでしょ?
その名刺の名前を見て、Facebookで検索して
メッセンジャーで友だちリクエストが来る。
その後、LINEに移行するというパターンが多いかな。
 
 
――そうだったんですね!
お会いした時に心が通ったということなんでしょうね。
現地では、どんな想いで、どう彼らと接しているんですか?
 
現地で出会うほとんどの子たちは貧困層で、
生活が苦しい家庭の子が多いんです。
だから日本に来て、一生懸命働いて家族に仕送りをするんだとか
そういった強い気持ちがある。
けれど、やっぱり怖いじゃないですか。知らない外国に行くのは。
 
だから私は、まず会って、
笑顔で接して、普通にお話をさせてもらいます。
そうやって楽しくコミュニケーションをとりながら、
親しくなっていく。
 
そして最後にこう伝えるんです。
「私は外国から来るあなたを、
自分の子どものような気持ちで、全力で面倒をみたい。
その代わりあなたも、私を親のように思って、
親の手伝いをするんだという感覚で働いてもらいたい」
 
これがいつも私の中にある想いです。
会社とはいえ、ファミリーだから。
 
 
 
〜〜〜〜〜
 

◆インタビューの続きはこちら
同じ目線で接し、常に「ありがとう」
1:1のコミュニケーションでつなぐ絆

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